NPO県沖縄語(うちなーぐち)普及協議会(宮里朝光会長)が、児童・生徒のための沖縄語指導書「たのしいうちなーぐち」をまとめた。子ども向け教材は今回初めて。あいさつや単語など基礎的な教材や指導者向けに歴史や表記、指導案作成法も掲載した。編集委員長の楚南光子副会長(73)は「この手順通りやれば基礎的な指導ができるようになる」と活用を期待する。(社会部・内間健)

識名小学校のうちなーぐちクラブで、教材でしまくとぅばを教える楚南光子さん(左)=那覇市・同小

沖縄語普及協議会が発行した指導書「たのしいうちなーぐち」

識名小学校のうちなーぐちクラブで、教材でしまくとぅばを教える楚南光子さん(左)=那覇市・同小 沖縄語普及協議会が発行した指導書「たのしいうちなーぐち」

 楚南さんは10年余、講師を務め「幼児期からの指導方法を含めた教材が少ない」と痛感していた。3年前に編集委員会を発足させた。楚南さんの那覇・首里言葉の教材を基に、議論を重ね今春1冊にまとめた。600冊を作成した。

 本はA4判75ページ、全体の約8割が教材だ。コピーして講座ですぐ配布できる。「くりから うちなーぐち はじみーん」(これから、うちなーぐちを始めます)、「くりっし、うわゆん」(これで終わります)などあいさつ文章を掲載。「やーにんじゅ」(家族)や動植物の名前、手遊び、「てぃんさぐぬ花」などわらべ歌を掲載した。

 残る2割は、指導者向けに言語をめぐる文化、歴史を説明する。明治政府が同化政策のため「普通語奨励運動」という日本語教育を実施したことを紹介。学校で懲罰に用いた「方言札」を紹介した。

 指導上のポイントとして「沖縄語は子どもたちにとって外国語と同じ。興味を持つような動機付けを」「遊びやわらべ歌で、受ける授業より参加する授業に」などと強調した。

 楚南さんは「しまくとぅばが分からない若い世代でも、この教材で教えられるようになる」と話す。

 13日、楚南さんは那覇市の識名小学校「うちなーぐちクラブ」で教材を使用した。吉田雅(みやび)イザベラさん(11)=同小5年=は、教材が「分かりやすい。将来は仲のいい祖母ともしまくとぅばで話したい」。我喜屋航(わたる)君(11)=同6年=は「沖縄の言葉をもっと覚えたい」と話した。

 同書は一般にも1冊千円で頒布する。問い合わせは同協議会事務局、電話080(8580)1237。