【浦添】毎週火曜夜、シャッターを閉めた当山公民館でおやじバンド「イシダタン」が練習に励んでいる。2012年3月の結成から、2年3カ月。メンバー7人は「うまくないけど…下手でもないよ」と笑ってプライドをのぞかせる。定員300人のホールでイベントの前座を務めた際、当山のお年寄りが100人以上詰め掛け、イシダタンの退場と同時に満足して帰ってしまった-というほど、熱烈なファンを増やしている。

「互いにダメ出しする」というイシダタンのメンバー=3日、浦添市の当山公民館

 自治会の模合メンバーで結成。納涼祭や敬老会で一発芸のできる人を毎回探すより、音楽で盛り上げようと意気投合した。バンド名「イシダタン」は、地元当山の石畳道が国指定史跡になったことにちなんだ。

 又吉安雄さん(62)と稲嶺盛方さん(73)は三線、儀部孔万(よしかず)さん(63)はウクレレ、陶芸家の佐久川秀和さん(55)はベース、ペルー生まれの安和良和さん(63)は太鼓。神主の澤岻吉宣さん(57)は「老眼だから歌詞がよく見えないのよ」と苦労しながら、紅一点の森山真弓さん(58)とボーカルを担当する。

 レパートリーは「てぃんさぐの花」や「十九の春」、Beginの「島人の宝」など約15曲。イシダタンが出演する地域のイベントでは、もれなく事件が付いてくる。

 クリスマスのイルミネーション点灯式。イシダタンは猛特訓したクリスマスソングを演奏したが、続いて教会の聖歌隊が登場し“本物”を披露。立つ瀬を失った。当山老人会の敬老会では「白寿会の歌」で喜ばせるはずだったが、作曲者に「音程が違う」と嘆かれた。「ボケない小唄」は「やってる本人たちがボケている状態」だったという。

 それでも、イシダタンは解散しない。3年で18キロのダイエットに成功した森山さんは「毎週男の人たちに見られたらリバウンドもない」と笑う。7月以降は出演予定が毎月入っており、安和さんは「1円も入らないけど、僕ら、なんやかんや芸能人みたいだね」と声を弾ませる。儀部さんは「イシダタンは役立たん。でも、どこでも出かけます」とアピールしている。

 出演依頼は儀部さん、電話090(5748)1078。