妊娠中のおなかを撮影する「マタニティーフォト」が流行している。おなかをいとおしそうになでる母親。大きなおなかにキスするきょうだい。まだ見ぬ家族へ向けられた愛情と成長の記録として注目を集めている。(久高愛)

ベリーペイントを描いてもらい撮影に臨んだ名嘉いづみさんと夫の健二さん=13日、沖縄市・写真館フォトリア

 沖縄市にある写真館フォトリアは月平均10組がマタニティーフォトを撮影している。撮影依頼が増え始めたのは4~5年前。20代~30代の妊婦を中心に依頼は増加傾向という。

 撮影は、おなかの大きさや丸くなった形がはっきりする妊娠8カ月から臨月までの間に希望する人が多い。普段着で夫や家族と撮影する人や、おなかが見えるように撮る人、専用の水性絵の具でおなかに絵を描くベリーペイントを施して撮影する人などパターンはそれぞれだ。

 同館でベリーペイントを施して撮影した名嘉いづみさん(24)は「つわりなどで体調を崩すことが多かった妊娠期間を楽しむため」と撮影の理由を語る。9カ月の大きなおなかをなでながら「周囲の人に支えられ無事にここまでこれた。出産直前に感謝の気持ちも込めて記録を残したかった」と笑う。

 スタジオマリオ那覇・新都心店の新田香店長は「その時々の瞬間を写真として残すと、家族の宝物になるのではないか。生まれてきた子が大きくなったときに写真を見て家族の愛情をあらためて感じ、家族の絆が強まるいいきっかけになる」とマタニティーフォトの“意義”を語った。

 スタジオエース(沖縄市)で撮影した東(あずま)咲さん(27)は昨年6月に出産した。「1歳になる娘と写真を一緒に見て、『こんなときもあったな』と振り返ると感慨深い。一生に一度の1枚」と大満足の様子。娘のマタニティーフォトを見た母親の豆多(まめた)文子さん(57)も「おなかに宿ったころから育児は始まっている。そのころからずっと一緒よ、というメッセージを残せる大切な1枚。こうして家族の記録を残せるってすてきですね」と笑った。