【八重山】石垣市と竹富町でも23日、戦没者追悼式が開かれ、軍命による強制疎開でマラリアの犠牲になった住民らの冥福を祈った。
石垣市はバンナ公園内の八重守之塔で追悼式を実施。中山義隆市長は「マラリアに感染しても救いを求めることもできず、高熱に苦しむ親子、兄弟を見守るしかない状況だった。この思いは二度と繰り返さないという誓いを胸に刻む」と宣言した。
大浜中の嵩原並生さんは平和の作文を発表し、国や個人が暴力を振るわず、平和を実現してほしいと訴えた。
竹富島の町出身戦没者慰霊之塔で開かれた追悼式には、町関係者や竹富小中学校の子どもたちが参列した。
同中の上野勇佐魚(いさな)君は島が空襲に遭った戦争証言を聞いた経験を語り、「お互いを理解し、大切にすることの積み重ねが平和につながる」と訴えた。
参列者は、マラリアや戦地で亡くなった町出身者をまつった塔の前で焼香し、静かに手を合わせていた。