【東京】内閣府は27日、県内への鉄軌道導入に向けた2013年度の調査結果を公表した。トンネル建設に近年開発された新しい技術を取り入れ、線路を1本にする単線化を図ることで大幅な事業費の縮減が可能と試算した。一方、事業採算性の判断指標となる費用便益比は前年より改善したが、公共事業の実施の目安となる「1」には届いていない。14年度は引き続き費用縮減策を検討、県が求める「上下分割方式」など整備制度を研究する。

鉄軌道・主なモデルルート

 内閣府は鉄道と、路面系のトラムトレイン(トラム)の2種を比較検討している。

 大きな課題であるコストの縮減では(1)トンネルの工法見直し(2)単線区間の拡大・全線単線化(3)最新車両の導入(4)地下から地上への変更-などを検討。鉄道の新型車両はトンネルや駅の規格が小さくてすむよう、コンパクトで高速運転も可能な「スマート・リニアメトロ」の導入を検討した。

 その結果、鉄道は糸満-名護(うるま経由、パイプラインルート)で、全線単線化を図ることで事業費は最も低くて前年比27%減の5500億円まで圧縮できると試算。名護付近で線路を地下から地上にするなどし、費用便益比は前年の0・44から0・58に改善する。

 さらにトラムは糸満-名護(うるま経由、国道58号ルート)で単線区間を拡大し、国道58号の路面を使用した場合、前年比37%減の2900億円になると計算。費用便益比も0・59から0・83に大幅に上昇した。

 内閣府は事業費の縮減と費用便益比の改善は「相当程度図られた」とみている。一方で、さらなる改善が必要だとして今後、運用費の縮減策や需要を詳細に分析する。また、全国新幹線鉄道整備法も含め、事業の制度について県とともに検討する。

 内閣府は2010年度から調査を始め、14年度が最終年度。13年度は1億9千万円、14年度は2億円の調査費を計上している。15年度以降の調査は現時点で未定だという。