建設工事現場で事故を減らすため、絵とせりふで印象に残りやすい漫画を活用した危険予知の取り組みが始まっている。労働災害の専門家、建設会社、コンサルタント会社など、県内外のメンバーで構成する建設マネジメントマンガフォーラム(庄司卓郎会長)が工事現場での「マンガ安全建設看板」の普及を進め、県内でも採用の動きが出ている。現場内での事故防止に加え、周辺住民には漫画で工事内容を伝えることもでき、業界のイメージアップにつなげたい考えだ。

絵とせりふで注意喚起を促す「マンガ看板」

建設マネジメントマンガフォーラムの庄司卓郎会長(左から2人目)、前田憲一副会長、谷口正晴副会長(右から)ら

絵とせりふで注意喚起を促す「マンガ看板」 建設マネジメントマンガフォーラムの庄司卓郎会長(左から2人目)、前田憲一副会長、谷口正晴副会長(右から)ら

 漫画の活用は、福岡県直方市の協和建設(谷口正晴社長)が考案。2001年、同社が国から受注した橋の建設工事で、下請け業者の作業員が転落死。遺族の悲しむ姿に、谷口社長は「効果的に注意喚起できる方法はないか」と考え続けた。次男の晋也氏が経営し、約300人の漫画家を抱えるシンフィールド(東京)に「マンガ看板」の制作を依頼した。

 谷口社長は漫画の効果について「視覚は右脳、せりふは左脳に働き掛けるので、記憶に残りやすい」と強調。12年に実用新案登録、国土交通省の新技術共有データベース「NETIS」にも登録され、各工事の作業に対応した約100種類の漫画があるという。

 ことし3月には看板の普及などを図るため、同フォーラムを設立し、NPO法人化を目指す。県内からは建設土木コンサルティングのNPO法人グリーンアース(那覇市)の前田憲一理事が副会長に就任。同NPO主催のセミナーが今月27日、那覇市内であり、建設会社から約100人が参加した。

 来月には与那原町内の建設現場で採用される予定で、前田理事は「せりふをウチナーグチにするなど、沖縄らしさが出せれば親しみを持ってもらえる。建設業のイメージアップも図りたい」と広がりに期待する。

 産業医科大学(北九州市)産業保健学部講師でフォーラム会長の庄司氏は「漫画で事故のイメージを視覚的に伝えることで、事故の減少につながる可能性が高い。データを蓄積・分析し、効果が科学的に証明できれば、より多くの現場で採用されるだろう」と話している。