日本の教員は国際的に見ても多忙であることが、経済協力開発機構(OECD)の調査で分かった。忙しいのは、授業以外の業務にも多くの時間を費やしているからである。教員の多忙化によって、子どもたちが不利益を被ることがあってはならない。国は是正に向けて早急に実効性ある対策を講じるべきだ。

 調査は34カ国・地域の中学校を対象に、教員の勤務環境や指導状況を比較した。2012~13年にかけて各国で実施、日本は初めて参加した。

 1週間当たりの教員の仕事時間は、参加国の平均が38・3時間だったのに対し、日本は53・9時間で最も長く、50時間超は日本だけだった。一方、授業時間では日本が17・7時間で、平均の19・3時間を下回っている。

 調査によると、日本の教員は、書類作成などの一般事務や部活動など課外活動の指導時間に多くの時間を費やしていた。事務作業は、平均の約2倍、課外活動の指導は3倍超の時間を使っている。

 多くの教員は業務量の増大で、時間外労働や家庭に持ち帰るなどで仕事をこなしているという。「子どもと向き合う時間が足りない」という悲鳴が聞こえそうだ。

 教師の多忙化は、子どもたちが抱える悩みや問題を見逃しかねない要因となる。いじめなど深刻な事態への対応が遅れる恐れもあり、放置できない。

 教員や事務職員の増員、学級の少人数化、課外活動の適正な時間配分などで、多忙化の解消を図ることが求められている。

    ■    ■

 調査結果で気になるのは、日本の教員は、学級運営や教科指導などで、他の国に比べ指導に自信を持っていない傾向が見られることだ。

 例えば学級運営では「生徒を教室の決まりに従わせる」ことに自信を持っている教員は約5割で、参加国平均の約9割より大きく下回った。

 「生徒に勉強ができると自信を持たせているか」という問いに至っては、自信がある教員は日本では2割に満たず、参加国平均の8割超と大きな開きがあった。

 国民教育文化総合研究所が13年にまとめた「教員勤務の『多忙化』解消に向けた提言」によると、多忙化の要因として、部活や事務以外にも生活指導や補習、家庭・保護者への対応、運動会や各種コンクール、学校の防犯対策など多岐にわたる。多忙さが自信を持てないことに関係しているなら、本末転倒と言わざるを得ない。

    ■    ■

 文部科学省の調査によると、12年度にうつ病などの精神疾患で求職中の公立学校の教員は4960人に上った。11年度は5274人で、ここ数年5千人前後で推移している。背景には、業務の多忙化や保護者対応などのストレスがあるとされる。

 政府の教育再生実行会議は、小中一貫校の制度化や義務教育の「6・3」制の見直しなどを検討している。だが、国際的にも突出している教員の「多忙化」解消に優先的に取り組むべきではないか。子どもたちが健やかな学校生活を送るために。