【平安名純代・米国特約記者】北米沖縄県人会(國吉信義会長)は21日、ロサンゼルス近郊ガーデナ市内の県人会館山内ビルで、講演とドキュメンタリー映画で沖縄戦を学ぶイベント「慰霊の日と沖縄戦」を開催した。ロサンゼルス在住で映画監督のジーナ・ハマモトさんとカリフォルニア大学ロサンゼルス校研究員の宜野座綾乃さん、沖縄から糸数慶子参院議員がそれぞれ講演。集まった約130人が北米の地で沖縄戦を語り継ぐ意義を確認し合った。

会場は用意した130席余が満席。ウチナーンチュの視点で沖縄戦などを学んだ=ガーデナ市の北米沖縄県人会館山内ビル

 國吉会長はあいさつで10・10空襲や疎開、遺骨収集などの自身の経験を紹介。宜野座さんは沖縄の歴史を王国時代から現代まで要約、普天間移設問題やしまくとぅば復興運動、琉球独立研究会などについても報告した。

 沖縄からインターネットで基調講演した糸数議員は、約3カ月におよんだ戦闘や犠牲者、ひめゆり学徒、壕に隠れた人々の様子や集団自決など、戦争の足跡をたどりながら「命こそ宝。決して戦争をしてはならないというのがウチナーンチュの思い」と訴えた。

 ハマモトさんが製作したドキュメンタリー映画「鉄の暴風」は、沖縄戦に米国の諜報(ちょうほう)兵として参加した帰米2世のフランク東さんや比嘉たけじろうさんらを取材、ハマモトさんが解説して上映。ひめゆり平和祈念資料館が作ったアニメ「ひめゆり」はひめゆり部隊の悲劇をアニメーションで描き、強いメッセージを送った。

 イベントを企画した同会文化部長のジョーイ・カミヤさん(26)は、「英語による沖縄戦の資料は米国の視点から描かれたものが多く、沖縄人の視点を学ぶイベントを北米で開催する重要性を感じていた」と指摘し、「若者から沖縄戦の生存者まで、予想を上回る参加者数に驚いた」と反響の大きさを語った。

 参加者のなかには、ひめゆりの学生や負傷した兵士らの映像に涙を流したり、イベント終了後に「沖縄の生の声に触れられる機会をありがとう」「もっと開いてほしい」と主催者らに伝えに来る人も。

 カミヤさんは「自分は沖縄系4世。糸数議員のように沖縄の歴史とチムグクルを育み語り継ぐ人々に感謝の念を新たにした」と話した。