【平安名純代・米国特約記者】米政府内で1996年、沖縄に駐留する複数の海兵隊部隊を米領グアムに移転する案がすでに協議されていたことが28日までに分かった。当時、米政府は計画自体を否定し、検討している事実もないなどと強調していたが、実際は水面下で検討が進められていたことを示している。

米政府内で1996年に在沖米海兵隊のグアム移転が協議されていたことを記した米政府内部文書

 本紙が入手した96年10月18日付の内部文書によると、それまでグアムからインド洋のディエゴガルシア補給基地へ行っていた定期輸送業務を、97年から日本に移すことを海軍が決定したのを受け、グアム州知事らは、大幅な税収減や雇用喪失など経済環境の悪化を招くとの批判を展開していた。

 米内務省のガラメンディ副長官(当時)は、そのころ、グアムで議論が台頭していた米領から準州への昇格問題や、同島の米軍基地の使用継続への影響など、地元感情を懸念。大統領首席補佐官を務めていたパネッタ氏(元国防長官)に書簡を送り、クリントン大統領が同年11月にフィリピンで予定されていたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議に参加する際に、グアムに立ち寄り、地元の指導者らと会談する重要性を訴えている。

 ガラメンディ氏は、大統領のグアム訪問が実現し、州知事らと会談する際にグアムの将来的な重要性を強調する点として沖縄について言及。「地元における米国のプレゼンスに対する評判の悪さを受け、現在、沖縄からいくつかの海兵隊の部隊のグアム移転を議論している」と強調している。

 米国防総省のベーコン報道官は98年8月、米軍準機関紙「星条旗」が「米国防総省が在沖海兵隊のグアム移転計画をすでに策定している」などとグアム州知事が州知事会議で発言したと報じたのを受け、「そのような変更は一切計画していない」と全面否定。同省広報担当者も「海兵隊が沖縄の海兵隊のグアム移転を具体的に検討したことは一切なく、研究対象にもなっていない」などと強調していた。