「へそを取られる」の言い伝えは、今も健在だろうか。ゴロゴロ…ピカッ、ドドーン。30日早朝、やんばるにとどろく大雷鳴に起こされた。空が割れんばかりの迫力に、大小の太鼓を背負った雷神の姿が浮かぶ。「神鳴り」とはよく言ったもの

 ▼先日、県外の博物館で国宝「風神雷神」図屏風(びょうぶ)を見たばかり。おっかない顔のカミナリ様は大空を駆け、太鼓を打ち鳴らし天地を揺らす。人知をはるかに超えた自然の営みを、先人は神の仕業と見立てた

 ▼「地震・雷・火事・親父(おやじ)」はかつて怖いものの代表だった。親父はさておき、先の三つは今も注意が必要だ。県内でも先月、宜野湾市で工事作業中の男性3人が落雷に遭い、一時は意識を失った

 ▼「雷」は夏の季語。長かった梅雨が明け、早くも猛暑の兆しが見える沖縄では竜巻や豪雨も発生。渡嘉敷島では氷の海にすむはずのゴマフアザラシが現れ、関係者を驚かせた

 ▼すべて異常気象にこじつけるのは乱暴だが、何が起きているのかと不安にもなる。東京では6月、大粒のひょうが降ったとのニュース。市街地に雪のように積もった氷の塊は何やら不気味だった

 ▼夏本番、熱中症にも十分な注意が必要だ。これからは暑い暑い、と恨めしげに空を見上げることになるだろうが、「天災は忘れたころに」の警鐘を心に留めたい。(儀間多美子)