米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局(武田博史局長)は30日夕、県環境影響評価条例に基づく工事着手届出書を県へ提出した。着手予定は1日で、防衛局が代替飛行場部分の環境影響評価(アセス)で示した全工事が対象。海上での水域生物などの調査や設計などを進めてきたが、工事業務の着手は初めてとなる。(福元大輔、島袋晋作、篠原知恵)

 完了予定を2019年10月31日としている。関係者によると、1日からキャンプ・シュワブ内のV字形滑走路部分に位置する工場や診療所、兵舎、倉庫などの解体工事を始める。6月20日の日米合同委員会でシュワブ内の作業ヤードを整備するために必要な工事として、日米が合意していた。

 防衛局は、護岸建設や土砂の投入など、埋め立て工事に着手する際、新たに県へ届出書を提出する。

 仲井真弘多知事が昨年12月にシュワブ沖の埋め立てを承認後、防衛局は1月から建設事業に向けた発注を開始。今月下旬には、シュワブ沖での海底ボーリング調査を実施する方針を示している。

 アセスの最終段階となる評価書で、県は代替飛行場部分で175件、埋め立て部分で404件の知事意見を防衛局に指摘。総論で「評価書で示された環境保全措置などでは、生活環境と自然環境の保全を図ることは不可能」としていた。

 地元の名護市など、県内の反発が強まる中、補正を加えたとはいえ、多くの不備を指摘されたアセスに基づく工事が始まり、建設事業が本格化する。

 普天間返還問題 日米が1996年に返還、2006年に名護市辺野古沿岸部を埋め立てV字形滑走路を建設する案で合意。政府は08年からキャンプ・シュワブ内で兵舎の解体や移設を進めてきたが、代替飛行場建設事業とは切り離してきた。昨年12月に仲井真弘多知事が埋め立て承認したことで、環境影響評価に基づく同建設事業が本格的に始まることになった。