昨年6月から9月までに全国で熱中症で搬送された人が過去最多を記録した。7月は昨年から「熱中症予防強化月間」に設定されている。沖縄では梅雨明けが宣言され、本格的な夏を迎えるのに合わせるように、熱中症の発生が急増している。

 県薬務疾病対策課が公表した最新のデータによると、梅雨明けを挟んだ第4週(6月22~28日)に県内23の定点医療機関から入った報告では、発生は67人に上った。前週に比べ18人増加し、10代の若者と70歳以上のお年寄りが多いのが特徴だ。

 熱中症は、暑さで体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温を調節する機能が働かなくなって起こる。梅雨明け直後は、体がまだ暑さになれていないこともあり、注意しなければならない。

 第4週の発生者数で気になるのが10代が22人と飛び抜けて多いことだ。このうち21人が陸上や野球、テニスなどの運動をしていた。

 各種スポーツ大会が開かれた時期である。熱中症は死に至ることがあるのを忘れてはならない。スポーツドリンクなどで水分と塩分を補給しながら、可能な限り休憩を取り入れなければならない。

 指導者はともすれば選手のコンディションを競技に重点を置いて見がちで、体調面は見逃しがちだ。熱中症に対する知識を深めるとともに、選手の小さな体調の異変にも気づくよう細心の注意を払ってもらいたい。熱中症の危険性が高い時間帯での試合や練習を避ける工夫も求められる。

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 汗をかく機能が衰えているお年寄りや逆に未発達の子どもは、熱中症弱者である。身近な人が気を配る必要がある。死亡者は近年はお年寄りが顕著だ。2010年、全国の死亡者のうち80%が65歳以上の高齢者だった。

 熱中症は屋外だけでなく、室温や湿度が高ければ屋内でも発症し、しかも昼夜を問わない。那覇市内で昨年、70代の女性2人がそれぞれ自宅で熱中症を発症し、死亡している。2人とも体調不良などもあってエアコンを使用していなかったという。

 専門家は室温が28度を超えないようエアコンや扇風機を効果的に活用することを勧める。過度の節電は命取りになりかねない。

 熱中症は重症度によって3段階に分かれ、それに見合った対処法がある。重症度1はめまいや立ちくらみ、筋肉のこむら返りが生じる。涼しい場所に移動させ、衣服を緩め水分の補給をする。

 重症度3になると、意識がなくなったり、まっすぐに歩けなかったりするなどの症状が出る。一刻も早く医療機関に搬送しなければならない。

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 県内で昨年6月から9月までの3カ月間で熱中症にかかった人は前年度から200人も増え、過去最多の735人を記録した。

 沖縄はこれから本格的な観光シーズンを迎える。観光客が熱中症にかかってしまっては、楽しい思い出になるはずの沖縄観光が台無しになる。炎天下での長時間の海水浴を避けるなどの熱中症対策を観光客にも呼び掛けたい。