【大西理子通信員】第17回上海国際映画祭に沖縄からドキュメンタリー映画「徐葆光が見た琉球」が招待され、6月16日、上海永華電影城で上映された。

ドキュメンタリー映画「徐葆光が見た琉球」を総合監修した鄔揚華さん(左)と、プロデューサーの末吉真也さん=上海永華電影城

 映画は、清代の中国から冊封副使として18世紀に琉球を訪れた徐葆光が書き記した「中山伝信録」や近年まで“幻の本”といわれていた「奉使琉球詩」などを基に中国や琉球、日本との歴史的背景や新事実を紹介しながら琉球王朝時代の生の姿を考察していく内容。

 総合監修の鄔揚華(ウ・ヤンファ)さんは「故郷上海の国際映画祭で招待作として作品が上映されるのは感無量。今後は徐葆光の故郷蘇州はもちろん、もっと多くの中国人にも見てほしい。現代の冊封使になれれば」と喜んでいた。

 鄔さんは京都へ留学時に目にした葛飾北斎の版画「琉球八景」をきっかけに徐葆光に興味を持ち、沖縄へ移住。「徐葆光の道を歩もう会」の副理事を務めるなど10年余研究を続け、映画制作にこぎつけた。

 資料が少ない中、鄔さんが中国で幻の漢詩集「海舶集」の原文を発見したほか、徐葆光が生まれた蘇州で墓を特定、生年を分析・確認。冊封料理(御冠船料理)全49品も復元した。

 徐葆光の道を歩み琉球の歴史をたどる研究者、制作者の熱意あふれる取り組みで、プロデューサーの末吉真也さんは「日本側からではなく、中国人・冊封使の目から見た琉球を描きたかった」と振り返った。