家や店の屋根が吹き飛び、車は倒木につぶされた。台風8号は8日、沖縄本島を中心に大きな爪痕を残した。台風で初めて「数十年に1度の強さ」を示す特別警報が出され、避難所には大勢の人たちが駆け込んだ。「これまでとは規模が違う」。街には車も人も少なく、緊迫した一日になった。

倒壊した食堂の固定作業に追われる消防隊員ら=8日午前10時38分、那覇市松川(新垣玲央撮影)

根元から倒れた木が直撃し、押しつぶされた車両=8日午後1時40分、読谷村の県営波平団地(金城健太撮影)

倒壊した食堂の固定作業に追われる消防隊員ら=8日午前10時38分、那覇市松川(新垣玲央撮影) 根元から倒れた木が直撃し、押しつぶされた車両=8日午後1時40分、読谷村の県営波平団地(金城健太撮影)

 那覇市松川の住宅街で8日午前9時ごろ、木造平屋の飲食店が倒壊した。

 トタン屋根の部分から倒れ込むかたちで市道を完全にふさいだが、けが人はいない。

 現場は、倒れた冷蔵庫や炊事場など店舗内があらわとなり、テーブルやいす、調理道具などが散乱。雨風が激しく打ち付ける中、警察官が交通規制し、消防隊員らは作業に追われた。

 自家用車を移動させようと外に出てきた付近の男性(67)は「こんなの初めて。見たことがない」と顔をこわばらせ、「普段、人が住んでない食堂だからよかった。家に居ると強い感じはしないが、外は大変。気を付けないと」と話した。

 名護市大南では、家屋の屋根や壁の一部が壊れ、歩道に散乱した。住人の男性は「壊れたことに気付かなかった。支柱が暴風に耐えられず、折れてしまった」とこぼし、被害状況を確認した。

 那覇市の栄町市場ではアーケードの骨組みが折れて崩れ落ちたり、覆いが破けるなど被害が広がった。市場で食料品店を営む備瀬隆さん(57)は「古いアーケードだから、これだけ風が強いと壊れてしまう。折れたままだと、人に当たりそうで危ない」と心配した。

 沖縄市諸見里では木造平屋住宅の屋根と壁の一部が強風で崩れ、半壊した。住人の70代男性は市の避難所へ移った。

 浦添市の仲西中では部室のトタン屋根約5メートル四方がはがれ、近くのフェンスにもたれかかった。フェンスが道路側に傾き、周囲の50~60メートルが一時通行止めになった。

 読谷村波平の県営波平団地では敷地内の木が根こそぎ倒れ、駐車していた乗用車1台を押しつぶした。

 木は直径約3メートル、高さ約15メートル。車のガラスが一部割れたが、誰も乗っていなかったため、けが人はなかった。