猛威をふるった台風8号は、県内経済にも影響を与えた。農林水産業の被害総額(速報値)は約11億250万円。最盛期のマンゴーやゴーヤーは風雨で落果や傷が相次ぎ、収量減や品質低下が懸念される。サトウキビは各地で塩害や倒伏などがあった。流通もスーパーやコンビニの機能が一部まひ。観光もホテルなどが宿泊客の対応に追われた。

暴風で根元から折れ曲がったサトウキビ=9日午後2時半ごろ、豊見城市与根

■農業

 最も被害額が多いのはサトウキビで約5億1300万円。ゴーヤーなど野菜約3億4600万円、マンゴーなどの果樹約1億9690万円が続いた。地域では久米島などを含めた南部の被害額が約5億1580万円で最も深刻。次いで宮古地区が約2億8430万円だった。

 7月が出荷最盛期のマンゴー。JAおきなわ青果部は「ハウスが破れ、落下が多く見られた。雨に打たれると実が黒っぽくなる病気が発生するため、品質低下は間違いなく起こるだろう」と肩を落とす。中元商戦を前に「化粧箱に入れられるマンゴーがどれだけあるか」と気をもむ。

 ゴーヤーも最盛期。強い雨風が露地栽培を襲い、水没情報も多数寄せられた。「大きな被害になると思う」。JA担当者は無念そうに話した。

 基幹作物のサトウキビも各地で深い爪痕を残した。従来は同じ方向に倒れるキビが今回は強い吹き返しの風で「四方八方」に倒れていた。JAさとうきび振興部は、「(回復が)厳しそうだ」と嘆いた。

 「太陽の花」の県花卉園芸農業協同組合は、主力のキクで今が年末出荷用の苗づくりの大事な時期。梅雨の長雨に続き台風で土作りに支障が出ているとし、「作業の遅れに心配がある」と話した。

 県中央卸売市場を運営する沖縄協同青果は、台風の九州上陸で県外産に頼る夏場の需給が逼迫(ひっぱく)し、相場の高騰が避けられないとみる。7月はマンゴーやゴーヤー中心に県産のブランドが一挙に入荷する月で、「経営への影響も大きい」。

■流通

 イオン琉球は8日深夜0時から宮古島のマックスバリュ2店舗を臨時閉店。イオン5店舗は同日朝7時に食品売り場をオープンしたが、マックスバリュとザ・ビッグの店舗を含め午前中で閉店。9日午前には通常の入荷があり、影響は解消された。

 サンエーも8日は全80店舗を休業。9日からは営業を再開し、担当者は「現時点で大きな影響はないが、農作物など産地被害がないことを願っている」と話していた。

 沖縄ファミリーマートは全体の4分の1に当たる約50店舗が停電になったが、住民からのニーズを受け、店舗の判断で可能な限り対応。ローソン沖縄によると、大型台風という報道で、直撃前の売り上げは「通常の台風以上」。両社とも9日は道路復旧までの渋滞で配送に遅れがあった。

■観光

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は7日、台風時観光客対策本部を立ち上げた。観光情報サイトやSNSで、台風の進行や各航空会社やフェリーの欠航状況などを発信。職員が空港の案内所で待機、観光客に空席を案内した。ホテルでは延泊や新規宿泊者の対応に追われた。ANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューは、外出できない宿泊にエイサーや三線ライブ、カチャーシー体験などでもてなした。