9日は大雨のため冠水した道路で、立ち往生する車両が相次いだ。故障車の応急処置に当たる日本自動車連盟(JAF)沖縄支部が対応に追われたほか、民間バス各社は午前を中心に、大幅な遅延や折り返し運行を余儀なくされた。

沖縄自動車道の通行止めと各地の冠水で渋滞する国道330号線=9日午前10時半ごろ、宜野湾市我如古(国吉聡志撮影)

 JAFによると午前0時から午後6時までに、平常時の約3倍に上る約200件の電話があり、そのうち50件ほどが冠水関係。「強風で横転した」「飛散物でガラスが割れた」という被害のほか、前日のガソリンスタンドの臨時休業に伴うガス欠、散乱したがれきを踏んだとみられるタイヤのパンクもあった。

 JAFは指定工場にも協力を仰ぎ、午後6時までに約80件出動。担当者は「警報時はなるべく外出を控えた方がいい」と話した。

 一方、沖縄バスは北谷町や嘉手納町などで冠水による通行止めに遭い、折り返しや、迂回(うかい)して運行。那覇から東海岸を経て名護に至る路線で最大3時間の遅れが出た。「『バスが来ない』といった問い合わせ電話が切れたら、かかってくる状態だった」と那覇営業所の職員。

 南城市から国頭村まで47系統の路線バスを走らせる琉球バス交通の担当者も「まともに運行できた路線はない」と頭を抱え、東陽バスは冠水や信号機故障に伴う渋滞にはまり、午前中は全路線で遅れが生じた。

■信号機263基ダウン 通行止め53区間 県警まとめ

 8日から9日にかけて、県内の交通環境も台風8号の影響を受けた。県警によると、県内の信号機263基が消えたほか、冠水などで通行止めとなった道路は53区間だった。

 また9日午前8時ごろから30分間、朝の通勤時間に強い風雨が重なり渋滞が悪化。国道58号南向きで宜野湾市伊佐交差点から那覇市明治橋区間、北向きでは同明治橋から同泊交差点区間まで渋滞が続いた。

■39時間の停電 市民うんざり 南城

 南城市は県内で最も長い39時間の停電が続いた。大里仲間の津波華奈乃(はなの)さん(25)宅は、クーラーも扇風機も使えず、水も出なくなった。「昔の人はこんな生活だったのかな、と思って過ごした」。長女の莉愛來(りあな)ちゃん(6)は「テレビもつかないし、ひまなので勉強した」と話した。

■係留中の船5隻が沈没 11管区まとめ

 11管区海上保安本部によると、台風8号の風雨で港内に係留していた漁船やダイビング船5隻が沈没するなどの被害にあった。

 泡瀬漁港では、小型漁船が係留していた岸壁近くで沈没しているのが見つかった。

 嘉手納漁港では、係留していたダイビング船が流された。また糸満漁港北地区では、係留していた漁船2隻が港内で沈没している状態で見つかった。

■渡嘉敷・座間味に陸自ヘリ派遣 県要請受け

 沖縄県は9日、台風8号の被災地への災害派遣を陸上自衛隊第15旅団へ要請した。陸自はCH47大型輸送ヘリコプター1機を渡嘉敷村と座間味村へ派遣。停電復旧のため、沖縄電力の職員9人と軽トラック1台、必要な資材などを運んだ。