自然の脅威をあらためて見せつけられた。「数十年に1度の災害発生の恐れ」とされた台風8号とそれに続く豪雨が、各地に被害をもたらした

 ▼全国初の台風による特別警報が出ると予告された台風には心の備えがあったのだろう。「風は、恐れたほどではなかった」と話す人が何人もいた

 ▼しかし暴風域を抜け、いったん特別警報が解除された後の大雨に戸惑った人は、少なくなかったのではないか。仕事や学校など日常生活に戻ろうとしたところでの浸水、道路の寸断、再度の特別警報、休校など混乱した

 ▼雨の降り方も激しかった。急に前が見えないほどの土砂降りになり、道路があっという間に川のようになっていくさまには恐怖を覚えた

 ▼民家の軒近くまで上がった茶色い水、土砂崩れに巻き込まれゆがんだガードレールや倒れた電柱、倒木に押しつぶされたり水没した自動車…。人間の営みをのみ込む力を目の当たりにした。最悪の事態に至らなかったのは不幸中の幸いだが、被害に遭った方々のご苦労はいかばかりかと思う

 ▼台風シーズンは続く。特別警報だけでなく携帯電話への一斉緊急情報(エリアメール)や避難誘導のあり方など点検すべき点はいくつもある。被害を最小限度に食い止めるために、できる限りの備えを怠りなくしておきたい。(安里真己)