県内の保守陣営の変遷は対立と分裂の繰り返しだ。多数派工作の駆け引きや選挙戦でぶつかり、その歴史は戦国史とも称される

▼復帰後は、西銘、国場、小渡の各派がしのぎを削った。1990年代は仲村正治氏を中心に自民党を離党、新進党を結成

▼近年は、自公体制に下地幹郎氏(現・そうぞう代表)が反旗を翻した。対立の過程で、自民党県連は下地氏のほか、幹事長や議長、浦添市長など歴任した儀間光男氏らを切った。下地氏批判の急先鋒(きゅうせんぽう)が翁長雄志那覇市長たちだ

▼県連は9日、翁長氏に知事選出馬を要請した那覇市議団を処分した。那覇市を中心にした衆院沖縄第1区で下地氏との選挙戦で先頭に立ったのが翁長氏と市議団。下地氏らと同じ県連の処分の憂き目に遭うのは皮肉である

▼「県都を制する者が全県選挙を制す」。市議団は実働部隊を担ってきた。その自負が強気の姿勢を支える。その後ろ盾が翁長氏。県連は早めの処分で知事選に向けた態勢を立て直す意向だろうが、見通しは立っていない

▼3選に向けて最終調整する仲井真弘多知事も保守分裂の状況に気をもむ毎日だろう。経済界は割れ、支持基盤は揺らいでいる。立候補要請の聞き心地のいい話だけではなく、袂(たもと)を分かとうとする人々の主張や情勢を見極め、県政トップとして決断する時が迫っている。(与那原良彦)