【沖縄】米空軍特別調査局本部が在沖米軍基地外にある歓楽街の人種対立を調査し、1972年に報告書をまとめていたことが12日までに分かった。沖縄市照屋にあった黒人街「ブッシュ」で、黒人が白人に起こした強盗、襲撃事件のほか、白人が多数を占めた旧ビジネスセンター(BC)通り(現パークアベニュー)で、沖縄の飲食店経営者やホステスが黒人に差別的対応をしていた事例などを収集。「人種的緊張」が在沖空軍基地に与える影響や、駐留兵の脅威となるかを分析していた。

歓楽街の人種対立を調査した米空軍特別調査局本部の調査報告書を収録した「KOZA BUNKA BOX」第10号

 沖縄市が3月に発刊した「KOZA BUNKA BOX」第10号に掲載されている。米国立公文書館のメリーランド分館に機密指定されていた文書の複写を市が入手。報告書では「ブッシュ」「第2ゲート・BC通り」「波之上」「普天間」での人種対立の特徴を分析している。

 ブッシュは「白人から冷遇された黒人の安息地として成立した」と報告。黒人の、白人排除の意識が強く、海兵隊や陸軍、空軍の兵士で組織するギャング団が複数存在し、大規模な事件につながったとした。調査時にはBC通りなどに客足が分散し、大規模な衝突はなくなっていたが、白人が足を踏み入れると黒人からの襲撃や強盗に遭うなど、「強い対立感情が存在する。危険性は持続している」とした。

 一方「第2ゲート・BC通り」は「沖縄の飲食店経営者やホステスが黒人の注文を断ったり、故意に長時間待たせたりするなど、差別的対応をしている」と指摘。主に「黒人の相手をすると、白人から相手にされなくなることを恐れての行動」と分析した。

 波之上は「人種的緊張は大きく低下」、普天間も「緊張感は和らいだ」とし、4地域を通して最も潜在的な人種問題が存在するのは黒人と白人がともに飲食する「第2ゲート・BC通り」と結論。「これからの空軍の一般的な人種関係にヒントを与える」と考察している。

 市の依頼で報告書を考察した大阪市立大学大学院の山﨑孝史教授は「人種的緊張が駐留空軍に対して脅威となり、多数の一時駐留兵にまで影響しつつあった」ことが報告書作成の背景にあったと指摘。「米軍の人種統合政策後も、基地内に隠然と存在した人種差別が基地外で公然化していたのではないか」とみている。