通信教育大手ベネッセの顧客情報が大量流出した。「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」の受講者は県内にも多い。子どもの個人情報が悪用されないかと多くの家庭が心配しているのではないか

▼流出は約2070万件になる可能性もあるという。2013年の国内の18歳以下人口約2120万人に匹敵する数字だ。あきれると同時に、よくぞ集めたものだと驚かされる

▼気掛かりなのはベネッセが公教育にも深く関わっている点だ。大学進学指導では県内の多くの高校がベネッセの模試を利用している

▼全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)は小学生の採点や集計などの業務を初回から8年連続で独占受注している。行動や家庭状況のデータも含め、全国の小6ほぼ全員の個人情報を毎年集積していることになる

▼ベネッセの教材や問題集を使う小中学校も多い。県の教育行政が全国学テ最下位脱出を最重要課題に掲げる中、「どうせやるなら受注業者の教材を」との雰囲気が強まっているという

▼文科省は「全国学力テストの情報は無事」と説明している。だが授業で教材を利用する福島県山間部では生徒の個人情報流出が確認された町村もある。発表された以外にも流出していないかと心配は尽きない。公教育が民間企業に依存することのリスクを考えなくてはならない。(田嶋正雄)