米海兵隊の長期戦略計画書に記された米軍キャンプ・シュワブ内の家族住宅建設計画は、住居のほかに娯楽施設なども付帯したコミュニティーの構築を掲げている。「過度に基地が集中する沖縄の負担軽減」といった本来の目的から離れ、基地の利便性を追求する米軍の姿勢が鮮明に浮かび上がる。

 共同通信が入手した2008年作成の米政府内部文書にある計画図案は、キャンプ・シュワブに通じる国道329号の内陸側の森林地帯に新設される多数の軍関連施設や、辺野古ダム貯水池の周辺に兵員宿舎や運動場などが描かれている。

 米軍普天間飛行場の移設問題に関わった米国防総省の元高官は本紙に対し、「家族住宅の必要性は、ローレス国防副次官(当時)が05年ごろの防衛政策見直し協議(DPRI)で、日本側に説明したと記憶している」と回顧。しかし、代替施設建設そのものに対する沖縄の反発が強かったことから、埋め立て承認の取得を最優先していた“戦略”が透けてみえる。

 同計画書が指摘している通り、現行計画に家族住宅の建設計画を盛り込むには日米間における交渉が必要となってくる。

 沖縄防衛局は14日、兵舎計画について「承知していない」とした上で、内陸部では「緑化を行う」との見解を示した。しかし、米側の関係者の証言は、計画の大枠がすでに完成し、日米間が認識を共有している可能性を示唆している。

 元高官が指摘する通り、今後は沖縄を蚊帳の外に置いたまま、日米間で予算交渉が本格化していく可能性が高い。(平安名純代・米国特約記者)