沖縄県海岸防災課は15日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う仲井真弘多知事の埋め立て承認の理由について、質問していた名護市へ文書で回答した。2月の質問送付から約5カ月後の回答で、文書はメールでも送付。市幹部は回答の遅さなどに「県の対応はあまりに不誠実だ」と批判している。

 市の質問に対し、県はこれまで「現時点では回答が難しい」など具体的な中身に答えていなかった。市は4度にわたり書面で「承認に対する疑義が払拭(ふっしょく)されない」と催促していた。

 今回の回答で、市が質問した9項目33件に対し、県は審査の適正さを強調。工事によるジュゴンへの影響は「具体的な環境保全措置が講じられ、工事前後で配慮が十分」とし、サンゴやウミガメにも同様の見解を示した。

 市が懸念を示したオスプレイ配備による住民被害は「飛行の安全性や騒音は審査で考慮されない」と審査の対象にならないと説明。根拠とした承認基準2号は「環境保全に十分な配慮」を求めたもので、埋め立て後の使い方は問わないとの解釈を示している。

 回答は、係争中の承認取り消し訴訟で提出した答弁書などの見解の範囲内にとどめ、訴訟で主張した内容と整合性をとったのが特徴。訴訟には、県側代理人として法務省から派遣された弁護士役の「訟務検事」も参加しており、回答するまで法務省側との文案調整にも時間がかかったとみられる。

 一方、名護市は県の対応を批判するメールを県へ送付し、本紙に対し「内容を精査して対応を検討する」と答えた。