「現場にいても見えない人がいる」、「気づきたくない雰囲気を感じる」と言う人もいる。子どもの貧困の話だ。先日、明らかにされた国内の子どもの貧困率は16・3%。40人学級だと6、7人が貧困の中で育つことになる

▼県内では経済的、社会的、歴史的な背景があり、さらに厳しい。経済的に苦しい家庭に給食費や学用品代を補助する就学援助の受給率は県全体が19%余。沖縄市では県内で最も高いレベルの約26%と4人に1人、校区によっては約44%と半数近くに上る。誰でも経済的に厳しい子どもが身近にいるはず

▼朝から給食室の前で給食を待つ子がいるという。一日で唯一のまともな食事だからだ。もうすぐ訪れる夏休みは、この子らにとってつらい時期になる

▼今回初めて、子どもの貧困率が大人を含めた全体の貧困率を超えた。社会のしわ寄せが、最も弱い子どもたちにきている。国が無策だったことの表れだ

▼貧困解消に向けて国や県の強力な施策が必要なのはもちろんだが、それを待つ間も子どもたちは、日々暮らさなければならない。「見ないふり」をしても貧困はなくならない

▼まずは、子どもたちの姿をしっかりと見つめたい。子どもの中にこそ必要な対策が見えるはずだ。子どもも大人もつながれる、思いやりや気遣いのある人や地域が広がればと思う。(安里真己)