事件後、在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官が異例の会見を開いた。「沖縄はわれわれの故郷」だから嫌わないでほしいと訴えた。その1週間後、米兵が飲酒運転で事故を起こし30代の女性に重傷を負わせた。

 基地は71年間、謝罪を繰り返しながら多くの県民を傷つけてきた。

 「米国人は何とも思わないのか」。遺体遺棄現場で居合わせたニューヨーク・タイムズの記者に聞くと「大多数は事件も沖縄に基地があること自体も知らない」と返ってきた。

 怒り、虚無感、悲しみを抑えたとき、耳の奥に聞こえてきたのは日米首脳会談での安倍晋三首相の「強固な日米関係」という甲高い声だった。サミットの華々しさは事件の悲しみを覆い隠す装置のようだった。命が二度ないがしろにされた気がした。(政経部・大野亨恭)