【平安名純代・米国特約記者】米軍普天間飛行場の移設先の名護市辺野古の新基地で、米海兵隊がステルス最新鋭戦闘機F35の運用を想定していることが18日までに分かった。米国防総省は、2017年に岩国基地(山口県)にF35を16機配備する方針をすでに表明しているが、沖縄での同機運用については明らかにしていない。米国内では、空軍による同機の訓練拡大計画が住民の反対で中止されており、沖縄県内で訓練が導入された場合、生活環境への影響が懸念される。

ステルス戦闘機F35(ロッキード・マーチン社提供)

 米海兵隊は、アジア太平洋地域における訓練や基地運用方針を示した計画書「2025戦略展望」の中で、「責任区域(AOR)における次世代主力戦闘機の導入に向け、日本政府が提供する特別使用空域の利用拡大へ向けて取り組む」と説明。キャンプ・シュワブ(名護市)とキャンプ・ハンセン(金武町、宜野座村など)にまたがる中部訓練場上空の飛行訓練空域の制限を見直し、特別空域を再設計する方針を示している。

 米国防総省筋は本紙の取材に対し、「域内でのF35の運用性を高めるために、訓練区域を利用可能な状態に整備する必要がある」と指摘。「日米間の協議はすでに始まっている」と明らかにしたうえで、「辺野古の新基地も運用対象だ」と明言した。

 辺野古の新基地建設に伴い、政府が2011年に県へ提出した環境影響評価(アセスメント)では、F35は対象機種に含まれておらず、住民の生活や自然環境などへの影響は調査されていない。

 米フロリダ州では、エグリン空軍基地周辺で同機の訓練拡大が計画されていたが、住民らの反対で中止された。

 F35は6月末にフロリダで起きたエンジン出火事故を受け、7月3日に全機が飛行停止となった。国防総省は15日に条件付きで飛行再開を許可したが、国際的デビューの場として注目されていた英航空ショーへの参加は見送るなど安全性が疑問視されている。

 [ことば]F35 米英など9カ国の共同開発で「第5世代」と呼ばれる最新鋭戦闘機。レーダーに探知されにくいステルス機能を持ち、米英などの開発参加国やイスラエルが導入を予定。主契約開発会社は米ロッキード・マーチン社。空軍仕様のA型、垂直離着陸可能なB型の海兵隊仕様、空母艦載用のC型がある。航空自衛隊の次期主力戦闘機で、防衛省は2011年に42機配備を閣議決定したが、調達枠の拡大を検討している。