【本部】本部町は本年度から北部地域の農水産物を町崎本部の本部港から直接、東京や大阪の主要都市に輸送する定期航路の開設に向けて、輸送の社会実験を始める。町では航路が開設すれば「北部地域の生産物の販売が増え、所得向上や雇用の拡大、産業振興につながる」と期待している。(伊集竜太郎)

本部町が北部地域の農水産物を東京、大阪に直接輸送する社会実験を始める本部港=町崎本部

 輸送実験は、沖縄北部連携促進特別振興事業の一環で北部連携物流拠点機能強化事業として3年間を予定。本年度は調査と計画作成、2015、16年度は実際に船舶を運航する考え。那覇港を利用する既存の船舶が、本部港を経由して本土に向かう計画を想定している。

 町によると、北部地域は第1次産業従事者の割合が高く、農業粗生産額は県全体の約3割。一方で、北部の地場産品の出荷や製造に必要な原材料の大半を那覇港や那覇空港を経由して調達しており、那覇への陸上輸送費などが大きな負担になっている。

 陸送距離の長さから、品質の劣化や納品の遅延リスクもあり、「北部の産業振興の慢性的な課題だ」と指摘している。

 本部港は、特定地域振興重要港湾として耐震岸壁も整備され、2011年度には北部の生産者が割安で生産物を保管できる大型冷凍冷蔵倉庫も設置した。県の04~05年度調査では、那覇港の利用より1キロ当たり2~4円の輸送費が削減されると試算している。

 町は本年度、公募でコンサルタント業者に発注し、9月から北部の物流や課題を整理、社会実験実施計画作成を始める予定。予算は国庫補助を受け約4700万円。円滑に事業を実施するため国や県、町、海運業者、学識経験者で組織する協議会も同月中に発足させる。

 町は今月25日開会予定の臨時議会で、関連の補正予算案と協議会設置条例案を提案する。