「安倍一強」体制の下で与党の一翼を担う公明党は、今年11月で結党50周年の節目を迎える。

 独自の存在感を示せないまま、戦後政治の打破を目指す安倍政治にのみ込まれるのか、それとも「中道・平和の党」「庶民の党」として安倍政治の暴走を牽制(けんせい)する役割を担うのか。公明党は今、大きな曲がり角に立っている。

 「安倍一強」体制が小選挙区制度のマジックによって誕生したこと、連立を組む公明党に支えられ、選挙では創価学会に支えられてできた連立体制だということを、あらためて強調しておきたい。

 2012年総選挙で自民党が得た議席は294。このうち小選挙区で得た議席は237。自民党が小選挙区で得た得票率は43%だったが、小選挙区の全300議席に占める割合(議席占有率)は79%にものぼった。

 安倍政権は、得票率と議席占有率の極端なかい離という小選挙区制度のマジックによって誕生したのである。加えて、当選した自民党候補者の多くが選挙の際、創価学会のお世話になった。

 安倍晋三首相の政権運営が、こうした事実に謙虚に向き合っているとは思えない。

 自民・公明両党の連立政権合意書には、集団的自衛権の行使容認は盛り込まれていない。なのに自公両党の密室協議だけで閣議決定してしまった。外交安保の分野では「中国・韓国・ロシア等近隣諸国との信頼の増進を図る」ことが明記されているが、日中関係は安倍首相の挑発的な言動もあって戦後最悪の状態だ。

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 安倍首相の政治手法は際立っている。国民的合意がないまま、合意形成に向けた議論も不十分なまま、自分の政治信念だけで事を進める強引な手法が目立つ。

 特定秘密保護法の扱いがそうだった。集団的自衛権の行使容認の閣議決定もそうである。昨年4月28日の主権回復記念式典も沖縄側の猛烈な抗議を無視して実施した。米軍普天間飛行場の辺野古移設についても、市町村長、市町村議会議長、県議らが提出した建白書には目もくれなかった。

 公明党に求められるのは、暴走ぎみの安倍政治に対する歯止めの役割、ストッパーとしての役割である。

 公明党県本は、基地問題プロジェクトチームを立ち上げて徹底的に議論し、普天間飛行場の県外移設を求める提言書をまとめた。県本は今も「県外」の姿勢を堅持している。この姿勢こそ「平和の党」にふさわしい。

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 創価学会インターナショナル(SGI)は慰霊の日の6月23日、県内2紙に全面広告を掲載し「安全保障のジレンマ」について触れた。「ある国が軍備を増強すると、他の国が脅威と受け止めて対抗措置をとるといったように、軍拡がさらなる軍拡を呼び、かえって不安や緊張が増す…」

 創価学会婦人部や青年部は沖縄戦の掘り起こしや核廃絶に向けた運動に熱心に取り組んできた実績を持つ。支持母体のこの経験を公明党県本は正面から受け止め、独自の主張を堅持してもらいたい。