米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設で、防衛省は20日未明、キャンプ・シュワブ沖の施工区域を明示するためのブイやフロートなどの関連資材を陸路でシュワブ内に搬入した。台風の進路など気象状況を見ながら、近く海上に設置する予定。海底の地質を調べるボーリング調査や実施設計をへて、本年度内にも埋め立ての本体工事に着手する方針だ。

米軍キャンプ・シュワブに入る大型トレーラー=20日午前2時35分

 20日午前2時33分から、緑のカバーで積み荷を包んだ大型トレーラー25台が相次いでシュワブのゲートに入った。ゲート前では新基地建設に反対する男女2人のうち、男性がトレーラーを止めようと車道に飛び出そうして警察官に制止された。

 沖縄本島南部の施設で19日、民間の運送会社の大型トレーラーに、関連資材が積み込まれた。県警も不測の事態に備えて、警備を強化している。

 防衛省は18日までに、県警や海保などの警備関係者や作業員が詰めるプレハブの現地事務所をシュワブ内に設置。沖縄防衛局や東京の本省の担当職員が辺野古に入り、最終的な調整を進めている。

 資材の輸送には、事前に米軍からシュワブの使用許可を得て陸上から搬入。その後、シュワブから船を出し、ブイやフロートを設置する。その内側で海底ボーリング調査などの作業を実施し、外側は海上保安庁や民間警備会社のゴムボート、漁船で警戒、監視する。

 ブイ設置は完了までに数日間要する見込み。重層的に防御策を講じることで、反対派住民の阻止行動を排除する狙いがある。

 シュワブ内には仮設の桟橋や岸壁を設け、拠点として使用する。日米で協力して、事業を推し進めるとみられる。

 防衛省はブイやフロートの設置業務の一部を秘密指定しており、詳細は明らかになっていない。計画に対する地元の反発は根強く、阻止行動による現場での衝突は避けられそうにない。 政府は今月2日、海上作業の安全、円滑な実施を目的に、常時立ち入り禁止とする臨時制限区域(約561ヘクタール)を工事完了日までの期間で設定し、日米で同区域を共同使用することを官報で告示した。

 ブイやフロートで立ち入り禁止区域を明確に示し、反対派住民が立ち入れば、刑事特別法の適用を視野に厳しく取り締まる。

 2004年の海底ボーリング調査では、海上からブイや資材を運んだことで、反対派のボートやシーカヤックに行く手を阻まれるなど作業が難航。結果的に調査が中止に追い込まれた。