沖縄生まれ、沖縄育ちだがこれほど毎日、海を見つめた経験はない。最近は「今日は青のグラデーションが濃い」「東海岸は波が高かったが、西は静か」など分析しては、我ながら苦笑する

 ▼名護市辺野古の海岸から沖を眺め、建設予定の新基地をイメージすると、そのとてつもない大きさに圧倒される。自然や人間に与える影響は甚大だろう

 ▼「海の日」を翌日に控えた20日未明、埋め立て工事に伴う海上ブイなどが、米軍キャンプ・シュワブ内に搬入された。人に知られぬよう深夜を利用する、政府のいつものやり方だ

 ▼大型トレーラーやトラックなどの車列は42台。闇夜に隊列を組み、報道各社のライトに照らされゲートをくぐる姿は異様だ。市民や県民の声に耳を貸さず、その裏をかいてごり押しする

 ▼連日、埋め立て反対を訴え炎天下に立つ人々を「一部の人」とする風潮もあるが、名桜大の学生有志でつくる「ワン・アース」は先日、沖縄をめぐる状況や基地問題を考える勉強会を開催。「足元で起きている事実を知りたい」と動きだした

 ▼長く複雑な過去を歩んだ沖縄の未来を、どうつくるか。「一部の人」の関心事だと小さくまとめては危険だ。21世紀は環境の時代とも言われる。基地を造るための杭(くい)が打たれる前に一度、青く豊かな海を見つめ、考えてみませんか。(儀間多美子)