【ミンダナオ島ダバオ市21日=我喜屋あかね】フィリピン・ミンダナオ島のダバオ市出身者らで構成する沖縄県ダバオ会(山入端嘉弘会長)は21日、旧日本人ミンタル墓地「沖縄の塔」で法要慰霊追悼式を開いた。県内外の遺族や地元関係者ら約100人が参加。雲一つない青空の下、50回目の慰霊の旅で太平洋戦争で亡くなった日本人約2万人の冥福を祈った。

戦没者の冥福を祈り、手を合わせる参列者=21日、ミンダナオ島・ダバオ「沖縄の塔」(我喜屋あかね撮影)

 式で山入端会長は42年間続いた先人たちの開拓の歴史に触れ、「日本に帰る思いを断たれ、流した涙を思うと無念の思い。身をもって平和の尊さを教えてくれた」と追悼の意を述べた。

 県遺族連合会の照屋苗子会長は「懐かしい肉親が参列し、好物の沖縄の泡盛を供えた。恒久平和の実現に向け、一層努力する」と誓った。喜納昌春県議会議長は「命どぅ宝を次世代に正しく伝え、基地のない平和で豊かな沖縄を目指す」と決意を示した。

 時折吹く風で木々がそよぐなか、墓前には日本から持ち込まれたお菓子や飲み物が並んだ。参列者は現地で過ごした幼少期の思い出を胸に、手を合わせた。

 また、激戦地タモガンの山林を望む高台にある「平和友好記念碑・納骨堂」での焼香後、山入端会長は「慰霊の旅を続けることは生き残った者の義務。来年以降もずっと継続していきたい」。また、遺族による奉納舞踊や、参列者全員で「ふるさと」を合唱、墓前にささげ、式を締めくくった。

 戦前、ダバオには県出身者1万人以上が生活していた。県ダバオ会は同日、新たに建立された「ダバオ墓地鎮魂の碑」や「ダリアオン収容所・戦没者供養之塔」でも、犠牲者のみ霊を慰めようと慰霊祭を開いた。50回目を迎えた「ダバオ慰霊と交流の旅」の一環で、参加者は26日まで現地日系人会との交流を持つほか、各自で学校や出身地など、ゆかりのある土地の訪問を予定している。