「米軍はオキナワの領土の20%を占めているだけではない。実質的には、オキナワの空すべてを支配しているのだ」

 元CIA顧問で東アジア研究の大家チャルマーズ・ジョンソン氏は、ロサンゼルス・タイムズ紙への寄稿(1999年9月3日付)で「沖縄人と日本人は知らないかもしれないが」と前置きし、嘉手納の航空管制官の証言を引用する形で、安全規制が欠如した沖縄の空は、事故が起こる危険性は紙一重だと指摘した。

 沖縄の米軍基地を囲む金網は、青い空にも張り巡らされ、その隙間を縫うような空間で私たち沖縄人は暮らしている。

 名護市辺野古の新基地建設計画で、米軍は「空」の領土をさらに拡大し、陸には家族住宅を造る計画を進めていることが分かった。

 沖縄の若者たちが低賃金と長時間労働にため息をつき、小さな子供を抱える若い夫婦たちは待機児童問題に頭を悩ませる。その傍らで、米軍側は豊かな沖縄の自然の中に託児所やレストランなどの施設が完備された青写真を描いている。

 米議会は、在沖米海兵隊のグアム移転における家族住宅建設用の予算はないと圧力をかけ、米軍はグアムにおける計画を見直した。しかし、沖縄における計画は沖縄側には一切知らされていない。

 米側は、日本政府の「秘密体制」を熟知しながら、自国の財政難の穴埋めを日本に求め、本来ならば議会が反対する計画すら水面下で押し通そうと試みる。

 前述したジョンソン氏は、90年代は対日封じ込め戦略に関わった保守派だったが、米国の世界支配欲を内側から見て考えを改め、晩年は米外交安全保障政策を批判する側に回った。

 ジョンソン氏いわく「(普天間移設問題の)解決策は非常にシンプル」。つまり「選択肢のない在沖米海兵隊撤退要請」だ。

 代替施設を伴わない無条件閉鎖を突きつける前に、私たちはまず、沖縄の米軍基地の統合整理計画は、「米国」の負担軽減のためのものだという認識を一つにしておく必要がある。(平安名純代・米国特約記者)