政府は、在日米軍再編で基地負担が増える都道府県を対象に、交付金を支給する新制度を創設する方向で検討を始めた。来年度の導入を目指す。政府関係者が21日、明らかにした。11月の沖縄県知事選をにらみ、米軍再編に協力する都道府県を対象とした新制度を設けることで、沖縄の基地負担軽減への協力を促す狙いがある。

 知事選の結果は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を進めてきた安倍晋三首相の政権運営にも影響を与える。政府は負担軽減に取り組む姿勢をアピールし、知事選勝利につなげたい考えだ。

 2007年に成立した米軍再編推進法に基づき、米軍の部隊や航空機などが移駐して周辺住民の負担が増える市町村を対象に、再編交付金が支給されている。防衛省によると、昨年度までに約40市町村が対象自治体に指定済み。新制度では、対象を都道府県に広げる。

 山口県岩国市の米軍岩国基地には、普天間飛行場からKC130空中給油機15機が8月末までに移駐するほか、神奈川県の厚木基地から17年をめどに空母艦載機59機が移駐し、山口県に負担が集中することが背景にある。

 こうした事情を踏まえ、首相官邸は、米軍再編に協力する都道府県も交付対象に加えることができないか検討するよう防衛省に指示した。交付対象の自治体の選定や交付金額の算定方法など、詳細な制度設計を急ぐ。