「9歳の私は人生の真実-生きていても何もいいことはない、ということを知った」。それから非行に走った少年は今、「親に対して『生まれてきて良かった』と言える人生にしていく」と誓った。葛藤があった親に対して、まだ心が揺れているのだろう。受け入れたいができない、それでも前を向く決意に胸が締め付けられる

▼沖縄少年院で意見発表会があった。「言えないくらいひどいことをした」「他人も自分の人生も傷つけてきた」という少年たちが、矯正教育を受けている。自分や他者との関係を見つめ、今の思いを発表した

▼ある少年は幼いころからの夢だった職業へ踏み出すことが決まった。正しい道を歩くことを決意し、親へ「産んでくれてありがとう」と感謝の言葉を大きな声で贈った

▼別の少年は、家族関係の変化から荒れ、大好きな母親まで憎み傷つけた。失って初めて大切さに気づき「家族一緒に幸せになりたい」と願う

▼己を省みる日々を過ごした少年たちは院を出る時、心から更生を誓うが、かつての仲間に誘われ元に戻り、再び少年院に来てしまう子も年に数人ずついるという

▼少年を傷つけるのも助けるのも、引き上げるのも足を引っ張るのも人間だ。傷つけ傷ついた少年たちやその家族の周りに、支える手が多くあればと思う。(安里真己)