「バタやん」の愛称で親しまれ、「19の春」や「島育ち」のヒット曲で知られる歌手、田端義夫さん(故人)は、県内で幅広い世代で人気がある

 ▼県出身の人気バンドBEGINのボーカル比嘉栄昇さんも長年のファンの一人。田端さんが昨年4月25日に94歳で亡くなった時、敬愛を込め、「『19の春』などで、沖縄と奄美の歌を全国に伝えてくれたのはバタやんでした」とコメントした

 ▼田端さんの沖縄でのステージ活動を支えたのが、アワセそば創業者の武原盛康さんだ。沖縄後援会会長で、60年近く家族ぐるみの付き合いを続けていた。チャリティー公演などで何度も沖縄に招いていた

 ▼田端さんの歌「シーちゃん船歌」はジュークボックスで広がり、沖縄だけでヒットしたというエピソードを教えてくれたのは武原さんだった。田端さんが沖縄をこよなく愛したのは武原さんの存在も大きかったに違いない

 ▼ファンレターをきっかけにして、終戦後、那覇市内のリサイタル会場で初めて対面した。同じステージに立ったこともあったと声を弾ませ、「楽しいときもつらいときも田端さんの歌がそばにあった」と話していた

 ▼武原さんは23日、78歳で他界した。天で田端さんが武原さんを迎えているだろう。おなじみのギターを抱え、片手を挙げて「オーッス!」のかけ声と共に。(与那原良彦)