独立行政法人「海洋研究開発機構」(JAMSTEC)は26日、伊平屋島の北の海底にある三つの熱水噴出域が海底下でつながり、鉱物資源を含む巨大な熱水鉱床を形成している可能性があると発表した。そのうち最北の熱水域は東西に2キロ以上、南北に約3キロと想定され、沖縄海域では最大規模と考えられるという。7月9~26日にかけ、地球深部探査船「ちきゅう」で行った採掘調査で明らかになった。

伊平屋沖の熱水鉱床から採取した物質を説明するJAMSTEC海底資源研究開発センターの高井研上席研究員(右)=26日、中城新港地区に停泊中の地球深部探査船「ちきゅう」

伊平屋沖の熱水鉱床から採取した物質を説明するJAMSTEC海底資源研究開発センターの高井研上席研究員(右)=26日、中城新港地区に停泊中の地球深部探査船「ちきゅう」

 今回の調査では、センサー付きのドリルで掘り進めながら地層を分析する「掘削同時検層」(LWD)の技術を海底下で世界初使用。通常は地下油田開発などで使われるが、海底下の分析に応用できることが示され、作業の効率化が図られた。

 調査は沖縄本島から北北西に約150キロ離れた「伊平屋北海丘」で実施。三つの熱水噴出域の周辺6地点、最長で1千メートル下の海底で、深さ350メートルまで掘削した。4カ所はLWD、2カ所はLWDと実際に地層を採取する「コアリング」を組み合わせて検証。各地点の地層を分析した結果、レアメタルを含む可能性がある「黒鉱」などをはじめ、共通点が見つかった。

 調査は政府の府省・分野を超えた横断的な取り組み「戦略的イノベーション想像プログラム」(SIP)の一環。

 JAMSTEC海底資源研究開発センターの高井研上席研究員は「調査地点に限りはあったが、3カ所の熱水噴出域が伊平屋北海丘にまたがるほど大規模に広がっている可能性を示すことができた」と説明。

 LWDのデータが実際の地層とほぼ一致しており「今後、活用事例が増えるだろう。伊平屋沖の熱水鉱床の全体像を明らかにするために活用していく」と話している。

 熱水鉱床 海底の鉱物資源で、地殻内の高温水溶液によって形成される。熱水はマグマ活動によって発生すると考えられ、溶け込んでいる金属が沈殿するなどして鉱床をつくり、産出量が少ないレアメタル(希少金属)を含む可能性がある。