【平安名純代・米国特約記者】米軍が名護市辺野古の新基地に高速輸送船(HSV)を配備する可能性を検討していることが29日、分かった。沖縄で前方展開している第31海兵遠征部隊(31MEU)を辺野古から乗艦させることで機動力を高め、アジア太平洋地域への即応展開能力を拡大するのが目的。複数の米政府筋が沖縄タイムスの取材に明らかにした。

 在沖米海兵隊は現在、勝連町のホワイトビーチに寄港する米軍佐世保基地(長崎県佐世保市)配備の揚陸艦で人員や物資などを訓練地へ輸送している。米国務省筋は本紙に対し、「辺野古の軍港機能を整備して運用の一体化を図ることで時間やコストの削減が可能となり輸送能力も向上する」と検討の理由を説明。国防総省筋は「海兵隊の輸送経費が削減対象となるなど、予算面がアジア重視戦略に支障を来していたが、日本の協力で計画が前進できる」と述べ、日本が費用分担している可能性を示唆した。

 日米両政府は、2005年の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書に、「海上輸送を拡大し、共に実施する」などと、相互輸送協力の方針を明記。一方で、米軍内では、新基地にホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)や高速輸送船(HSV)が運用できる軍港機能を整備する必要性を検討していた。

 メイバス海軍長官は28日、米海軍横須賀基地(神奈川県)で講演し、太平洋地域に両用即応群(ARG)を追加配備し、佐世保基地に20年までに沿海域戦闘艦(LCS)を配備する方針を説明。軍事費大幅削減などで遅れが生じていたアジア重視戦略について「確実に実施される」と強調した。

 同長官は昨年2月、米下院軍事委員会に提出した書面証言で、新たに獲得した高速船を沖縄とオーストラリアに配備された海兵隊の輸送用として運用する方針を明らかにしている。