沖縄科学技術大学院大学(OIST)が技術を移転した初のベンチャー企業「沖縄プロテイントモグラフィー」(亀井朗社長)が設立された。大学で構造細胞生物学を研究するウルフ・スコグランド教授が確立した技術を利用し、製薬会社などにタンパク質分子のデータを分析・提供する。OISTの研究者ら3人をスタッフに、8月1日から業務を始め、国内外の製薬会社や研究機関などに生体サンプルの受託解析サービスを売り込む。

新技術について説明するOISTのスコグランド教授(右から2人目)と新会社「沖縄プロテイントモグラフィー」を設立した亀井朗社長(同5人目)ら関係者=県庁

 30日発表したOISTによると、初のベンチャーは文部科学省の大学発新産業創出拠点プロジェクトで採択され、6月25日に設立。

 7月23日に県内ベンチャー支援のおきなわ新産業創出投資事業有限責任組合から出資を受けた。

 スコグランド教授が独自に開発した、タンパク質分子の構造や変化を立体的に可視化する技術「3次元構造解析プログラム」(COMET)などを活用する。

 従来、製薬会社などはタンパク質の分子を結晶化して解析し、医薬品開発に生かしている。ただ、結晶化自体が難しく、一部の分子しか観察できないなどの課題があった。スコグランド教授の技術を使うと、結晶化する必要がないため、短期間に安価に解析ができるという。

 スコグランド教授は「日本の創薬技術の向上、製薬会社にとってもメリットが大きい」と説明。

 亀井社長は「最先端の技術でまず実績づくりが大事だ。認知度を高めグローバルな展開を目指したい」と抱負を述べた。

 OISTのロバート・バックマン首席副学長(沖縄自立的発展担当)は「OISTは研究・開発の強い基盤がある。今後も県内の産業と連携してさまざまな技術の事業化に取り組んでいく」と述べ、企業集積の呼び水にする考えだ。