インディアナ州モーガンタウン。1000人足らずの町は開拓時代から米国のたたずまいを今に伝えているという。その魅力から訪ねる人も多い

▼一時は衰退した町で、伝統的なキルトの店を経営する女性4人衆が復興のきっかけをつくった。リーダーのシャロン・ジンマーマンさんは商業化を拒む。「自分たちの生活が変わってしまうのでは意味がない」と語っている

▼モーガンタウンのルポが載る『語るに足る、ささやかな人生』(駒沢敏器)を紹介してくれたのは伊是名村のNPO法人「島の風」の納戸義彦理事長。「島のこしが島おこし」を理念に、空き家になった古民家の再生事業などに取り組んでいる

▼納戸さんは「島への来訪者の増加や経済効果ではない。『島を変えたくない』という島民の思いで、身の丈にあった事業に取り組んでいる」と話す

▼伊是名、伊平屋、多良間の3村が、国連食糧農業機関の「世界農業遺産」の登録に向け、動き出した。フクギなどの防風林に守られた集落や畑などの沖縄の農村の原風景を未来に残すための取り組みだ

▼納戸さんは遺産登録に賛同する一方、「観光客誘致を目的化するのでは趣旨と違う」と指摘する。農業遺産の動きは農村の文化伝承と共に、島本来の魅力は何か、残すべき営みは何か-の議論のきっかけにしてほしい。(与那原良彦)