【竹富】竹富島の住民が水牛車営業所の移転を求める看板を島内に設置した問題で、町と業者、公民館、住民団体の4者は7月26日、移転に向けた合意書を締結した。美しい街並みの景観を損なうとして、観光客から不評だった看板は即日撤去され、住民からは「本来の島の姿に戻った」と歓迎の声が上がっている。

営業所移転を求める看板が撤去され、伝統の街並みが戻った=7月29日、竹富町竹富

 同営業所は、付近に島民の信仰の場である御嶽や保育所、診療所があり、公民館は水牛車を運営する「竹富観光センター」(小底朝吉社長)に移転を求めていた。交渉が停滞したことから、公民館と「竹富島の聖域と文教地区を守る住民の会」は今年4月、同センターの水牛が集落を巡るコースに移転を求める看板を設置した。

 看板は町歴史的景観形成地区保存条例に違反しているとして、町は撤去を求めたが、住民側は移転の確約を重視し、応じていなかった。

 町は4者間で調整を進め、(1)同センターは移転を確約(2)締結後に看板を撤去(3)町と住民らは移転用地取得に協力(4)町は移転跡地に公園などを設置する-などの合意書を結んだ。

 合意書では、4者の検討委員会が移転用地の選定、交渉を行い、早ければ来年4月には移転地で造成工事を実施するとしている。住民の会の上勢頭芳徳会長は「島民が協力し合う『うつぐみ』の心が本来の姿。工程がスムーズに行くよう協力したい」と安心の表情を浮かべた。

 同センターの小底社長は「利用者の看板批判は大きく、撤去でき、安心している。観光なくして島の産業は成り立たない。合意を進めるとともに観光客の信頼を取り戻したい」と誓っていた。