全国一低い水準にある沖縄の労働環境を底上げするため、県が2015年度から全庁横断的な対策に取り組むことが2日までに分かった。第1段階として9月から県内1万5千事業所の事業者と労働者、業界団体や労働組合を対象に、表面化しにくい労働環境の実態調査に初めて乗り出す。(篠原知恵)

 有効求人倍率が本土復帰以降の最高値を更新するなど好調な雇用情勢を受け、全国一高い非正規雇用率や離職率、低賃金の状況など沖縄の抱える雇用の「質」の課題解決に本腰を入れる考えだ。

 従来、雇用の質の低さについて課題を抱えながらも、雇用情勢の厳しさを踏まえ、求人数の維持・拡大など雇用の「量」を重視する緊急的な施策を優先していた。

 9月の調査では、産業ごとに、就職を望んでも正社員になれない非正規労働者の数や正職員化を阻む要因、企業内の人材育成と早期離職との関連、サービス残業の実態などを明らかにする。

 1万5千事業所の事業者と労働者にアンケートを配布、一部で聞き取り調査も実施する。業界団体や労働組合にも意見を聞き、多面的に労働環境の実態を把握するのが目的だ。

 調査分析の結果は本年度中に取りまとめる考え。浮き彫りになった産業別の課題を関係する部局と共有し、15年度から全庁横断的に取り組む対策を固めるための基礎データにする。

 県労働政策課の伊集直哉課長は「雇用情勢を示す数字が上向いている今だからこそ、雇用の質向上に取り組むことができる。これまで対症療法的な側面があったが、調査結果を踏まえ実効性ある対策を検討したい」と話した。