「目の前の仕事をどう進めていくかで精いっぱい。地元のことを考えたら仕事にならないでしょ」と元官僚が率直に振り返った

 ▼米軍と日本側が共同で使っている東村高江の県道70号の路側帯を、沖縄防衛局が米軍専用に戻すことを検討しているというニュースに、元官僚の言葉を思い出した

 ▼米軍専用化は、北部訓練場内のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設を止めようとしている反対派住民らを排除するのが狙いだ。そうなれば、住民らが路側帯に止める車や座り込みに使うテントを撤去できると考えているらしい

 ▼根強い反対運動に手を焼き、遅れているヘリパッド建設を推し進めたいのだろう。が、基地関連の工事を優位に進めるために、官僚たちが考え出すルール変更という奇策は受け入れがたい

 ▼辺野古の新基地建設でも沿岸部の立ち入り禁止区域を拡大させる手を打っている。住民の利用範囲を狭め、基地の拡大とも映る変更で、政府が呪文のように唱える「沖縄の基地負担軽減」にも反する

 ▼先の元官僚は退職後、辺野古新基地建設や福島県の原発事故を見て「自分が政策の意思決定にかかわってきたことを振り返り、地元の被害を考えるようになった」と自省した。「静かで安全な暮らしを守りたいだけ」という地元の思いが現職官僚に響くことはないのだろうか。(与那嶺一枝)