11月16日投開票の県知事選に、仲井真弘多知事(74)が3期目を目指し立候補すると正式に表明した。

 争点となる米軍普天間飛行場の移設については、「反対して元に戻しても混乱するだけだ」と述べ、政府が進める辺野古移設を容認する考えを示した。

 知事選には、すでに元郵政民営化担当相で政党「そうぞう」前代表の下地幹郎氏(52)が立候補を発表。移設の是非を問う県民投票を政策に掲げている。

 元自民党県連幹事長の翁長雄志那覇市長(63)も、9月初めには出馬表明の段取りで、陣営は「辺野古新基地は造らせない」との基本姿勢を確認している。  

 本格始動した知事選は、辺野古移設をめぐって、異なった公約を掲げる3人の保守系政治家が出馬の意思を明らかにするという、かつてない構図となっている。

 米軍占領下の1968年に実現した主席公選以降、県内の知事選挙は、革新対保守の構図で争われてきた。

 東西冷戦が終結し、55年体制と呼ばれた日本の政党政治の図式が崩れたことで、本土では「革新」という言葉が使われなくなったが、日米安保の負担に苦しむ沖縄では、基地問題を軸に色分けされる政治状況が続いてきたのである。

 今回、この構図ががらりと変わる。どのような結果になっても、沖縄が進む方向と政治の枠組みに大きな影響を与えるのは必至だ。最大の論点は、もちろん辺野古移設問題である。

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 なぜ、このような構図になったのか。

 本をただせば、県外移設を公約に掲げ再選を果たした仲井真知事が、辺野古沿岸部の埋め立てを承認したことが背景にある。

 県民に事前説明もなく一方的に埋め立てにゴーサインを出した知事に対する反発は、市町村議会の抗議決議、県議会の辞任要求決議へと広がった。その中から、前回の選挙で仲井真氏陣営の選対本部長を務めた翁長那覇市長が対抗馬として浮上したのである。

 埋め立てを承認した知事の行為を是とするか、否とするか。地方自治や民主主義の根幹にかかわる問題だけに、選挙で民意を明らかにする必要がある。

 これまで独自候補を擁立してきた革新陣営の一部には、保守系の翁長氏を推すことに抵抗感も残っており、保革を超えた選挙態勢が整っているとはいいがたい。

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 県政与党として知事を支えてきた公明党県本は、昨年12月、県外移設を求める提言をまとめ、仲井真知事に提出した。この基本方針は今も変わっておらず、知事選については判断を保留したままである。自公連立の枠組みを重視し、辺野古容認の仲井真知事の側に回れば、批判は免れない。

 分裂選挙を強いられる自民党、独自候補を出せない革新政党、板挟みに立つ公明党。政党の立ち位置が有権者から厳しく問われる選挙であると同時に、基地問題に対する安倍政権の強硬姿勢を問う選挙でもある。