古い赤瓦屋根の建物の内にも外にも、大勢の大人が集まって、食べて飲んでおしゃべりをする様子は、懐かしさを感じさせる。屋根の上のシーサーが、見守っている

▼うるま市石川で「字石川誌」発刊と旧部落事務所修復完成の祝賀会が先日あり、関係者が喜び合った

▼部落事務所は築82年。戦災を免れ、県内で唯一、戦前から残るムラヤー(公民館)だ。くぎは使わず、建物中央部に柱はなく、広々と使える。戦前から年中行事の集まりに、終戦直後の石川市制スタート時には市役所としても使われてきた

▼引き継いでいるのは石川部落会(伊波常洋会長)。石川区と呼ぶ市内の北は東山から、南は曙までの人からなる。外部の者の頭には「石川市」という地名もあり、ややこしく感じるが、関係者のつながりは強いようだ。字誌も4~5年かけてつくりあげた

▼ムラヤーは、かなりの部分がシロアリに食われ、床が傾くほどだったが、昔の姿をなるべく残すために、時間をかけて修復。工事関係者は「しばらくたてば、(補修の素材も)元の材木となじんで違和感はなくなるはず」と胸を張った

▼今もウスデークや石川エンサーといった伝統芸能の練習の場になっているムラヤーは、現代風の建物の間で、これからどんな風に人々の暮らしにかかわっていくのだろう。(安里真己)