「明日戦争がはじまる」と題された詩がインターネット上で話題になっている

▼詩は「まいにち 満員電車に乗って 人を人とも 思わなくなった」で始まり、「インターネットの 掲示板のカキコミで 心を心とも 思わなくなった」「虐待死や 自殺のひんぱつに 命を命と 思わなくなった」と続き、「じゅんび は ばっちりだ」「戦争を戦争と 思わなくなるために いよいよ 明日戦争がはじまる」と結ぶ

▼埼玉県に住む詩人宮尾節子さんがこの詩を作ったのは7年前。今年1月にツイッターに掲載。特定秘密保護法成立や集団的自衛権行使容認の閣議決定の時期と同じくして注目され、共感が広がった

▼詩は、今の時代に流れる不穏な空気への不安や反発を象徴している。これは、戦前の戦時体制を知る沖縄戦体験者らが抱く「一度来た道にまた戻るのではないか」という危機感に通じる

▼宮尾さんは「平和のために使って」と著作権を放棄した。「集団的自衛権反対」を訴える男性が焼身自殺を図ったという報道に、大学生は詩を引用し、「焼身自殺にピンとこない。じゅんびばっちりな自分に驚いた」とつぶやいた

▼詩で平和や戦争に関する感覚がまひしてしまう怖さを実感する。それは「戦争できる国」に歯止めをかける瀬戸際に立たされていることも示している。(与那原良彦)