【読谷】沖縄県内初の人間国宝の金城次郎さんの孫で、陶芸家の藤岡香奈子さん(53)=沖縄市=が読谷村座喜味のやちむんの里で「陶芸工房 ふじ」を開いた。「スタートラインに立ち、身の引き締まる思い。支えてくれている人たちに感謝しながら励みたい」と意気込んだ。

工房を開いた藤岡香奈子さん=読谷村座喜味の「陶芸工房 ふじ」

 藤岡さんは民間企業に勤めた後、29歳の時に母の宮城須美子さん(74)が運営する「宮陶房」に入所。本格的に焼き物作りを始めた。両親も陶芸家で、小中学生の時も手伝いをしていたというが「当時は作品の底処理や上薬作りの一部だけ」と笑う。

 入所後は携帯用の酒瓶である「抱瓶」作りから開始。基礎からの勉強だったため当時は大変だったというが、母や先輩たちの指導を受けて一から学んだ。周囲の勧めや自身の作品が展示会などで評価されたことが自信につながり、独立を決めた。

 作風は故金城さんの作品の雰囲気に似ているが、鮮やかな色使いやクジラなどの絵柄で個性も出す。

 祖父の名前が付けられた「次郎窯」を使用しており、「祖父の存在はとても大きく、私も工程や上薬作りなどの伝統を大切に守っていきたい」と話す。

 現在は湯飲みや茶わんなど、日用雑器の制作が中心だ。「お客さんとのコミュニケーションを、大切にした作品作りを心掛ける。いずれは大きなつぼなども焼けるようになれれば」と力を込めた。