【名護】認知症ケアの世界的な第一人者、フランスのイブ・ジネストさん=写真=の講演会(主催・県認知症介護指導者会)が5日、名護市民会館で開かれた。患者を見つめ、触れ、話しかけながらケアする介護法「ユマニチュード」について事例をあげて説明。考案したジネストさんは「相手を人間として尊敬し、彼らの友人として絆を強めてほしい」と強調。介護や看護に関わる約1000人が耳を傾けた。

認知症介護のあり方を考えながら耳を傾けた参加者=5日、名護市民会館

認知症介護のあり方を考えながら耳を傾けた参加者=5日、名護市民会館

 ジネストさんは、認知症を患う気むずかしい高齢者が、介護のあり方によって笑顔になったり暴言が消えたり、時には立ち上がった事例を映像で紹介。看護師に暴言を吐いていた高齢者が、目を見て話しかけられ、背中をさすられることで柔軟な態度に変わっていく姿に、会場から驚きのため息もあがった。

 ジネストさんは、人間が社会で生きる上で必要な「見る」「触れる」「話す」「立つ」の4つの柱がユマニチュードの基本とし「私たちは人間という動物を扱う獣医師ではない。愛や優しさ、友情を持って接すること」と訴えた。

 認知症高齢者は視野が狭く、人を認識できる範囲や距離が短いことなど技術面でもアドバイス。「後ろから声をかけると驚くので、近づくときは遠くから彼らの視野に入り、自分がいることを知らせること」など述べた。

 会場からは「丁寧にやりたくても忙しくて時間がない」との質問も。ジネストさんは「看護や介護に関わる世界中の人が忙しいと言う。だがユマニチュードを実践し、患者の協力を得れば作業はスムーズにいく。逆にお金と時間を稼ぐことができる」と述べた。

 南風原町から来た介護職の大城薰さん(46)は「とてもためになった。現場は忙しく大変だが、きょう学んだことを実践し、頑張ろうと勇気がわいた」と話していた。