米軍普天間飛行場の移設先、名護市辺野古の内陸部に新たな施設を建てる未公表の計画図案が作成されていた問題で、滑走路建設が具体化した2006年、米軍が内陸部の施設についても環境影響評価(アセスメント)を実施するよう求めていたことが13日、共同通信が入手した米軍内部文書から分かった。

沖縄県名護市辺野古・公表されていない施設

 沖縄防衛局が行ったアセスは昨年1月に手続きが完了し、埋め立て工事の前段となる海底ボーリング調査が近く始まる予定。しかし移設計画の全体像やその影響を開示し説明する手続きがないまま、事業が進められてきた実態が米側文書から次々に判明しており、地元の理解を得ることは一層難しくなりそうだ。

 米軍文書は「普天間代替施設の検討コメント」と題し、滑走路をV字形に2本建設する移設案が固まった直後の06年4月20日付。「日本政府と議論した」との記述があり、日本側との協議を踏まえた52項目の検討課題を列挙している。

 「環境」の項目に「日本政府は沿岸部のアセスしか考えていない」と記載。「(内陸部の)辺野古ダム地域、米軍キャンプ・シュワブ陸上部もアセスを推奨」とした上で「アセスが完全でないと、環境や生態系への意図しない影響の責任を、米海兵隊が負わされかねない」とアセスを求める理由を記している。

 沖縄防衛局のアセスでは、内陸部で埋め立て用の土砂を採取するとしているが、施設建設計画には触れていない。

 我部政明琉球大教授(国際政治学)は「防衛省は地元の反発を最小限に抑えようと、内陸部のアセスを土砂採取に限定したのではないか。一方、基地建設の責任のすべてを日本側に押し付けたい米側の意図が読み取れる」と分析している。