9月に百貨店を閉店する沖縄三越が、株主から全株式を無償で取得するため、定款の一部を変更して対応することが14日、分かった。無償取得は事業再生計画の鍵で、22日に開く臨時株主総会で承認を得る考え。個別での株式取得は「事実上困難」と判断し、定款の変更で一括取得、株主を総入れ替えして再スタートを切る。総会では、リウボウホールディングス(リウボウHD)と地域経済活性化支援機構が事業を引き継ぐ再生計画もはかる。(照屋剛志)

沖縄三越の臨時株主総会の流れ

 沖縄三越という会社の枠組みを残したまま、新たな株主が事業を引き継ぐため、株式の無償取得、消却、資本金の減資、新株発行などの承認を一度に取り付ける必要があり、株主総会を同日に3回も開く異例の対応となる。

 同機構は、金融機関の債権放棄と併せて、株式消却で会社の負担を軽くし、スムーズな事業再生につなげる考え。株式の無償取得ができなければ「再生計画が成り立たない」と重要視している。

 一方、沖縄三越は2004年の事業再生で県内41社から株式で資金を調達。株主は沖縄三越支援のため、出資に応じたが、さらに無償譲渡を求められることになる。再生計画の遂行には、株主への説明を十分に果たした上で、賛同を得る必要がありそうだ。

 臨時株主総会では、沖縄三越の普通・優先株式を、同社が請求すれば無償取得できる「全部取得条項付種類株式」に変えるため、定款を変更する。定款変更は特別決議になり、株主の議決権の3分の2の賛成があれば決議できる。

 承認が得られれば、株式の無償取得から新株発行までの経営体制の整備を10月1日付で実施。10月から、社名を「リウボウ商事」に変え、百貨店跡での新事業や空港売店などの3事業を引き継ぐ。新たな資本金は1億円で、リウボウHDが65%、同機構が35%を出資する。

 同機構は出資により、リウボウ商事に株式の買い取りを請求できる取得請求権付種類株式を保有する。有効期限は2017年3月末まで。

 定款変更に反対する株主は承認前に、沖縄三越に対し、株式の買い取りを請求することができる。