沖縄県は、訪日旅行者の増加が見込まれるイスラム教徒(ムスリム)の受け入れ態勢を整えようと本年度からムスリム等受け入れ環境整備事業を実施する。県内でも食や礼拝などムスリム独特の習慣に応じた「ハラル対応」に関心を寄せる事業者が増えており、事業者向けのガイドブック製作やセミナーの開催、ムスリム観光客を招いたツアーなどで環境を整えていく。

 観光、ホテル事業者や菓子メーカーの担当者らでつくる検討委員会の第1回会合が先月末県庁であり、ムスリム市場の今後の可能性や他地域の先進事例、県内のハラル対応状況について情報交換した。

 ムスリム人口は世界の約23%、16億人に上るといわれ、今後20年で総人口の4分の1に拡大する見通し。中でも、タイやシンガポール、マレーシア、インドネシアなど東南アジアに多く、訪日ビザの要件緩和が進む中、沖縄への誘客拡大が期待されている。

 ムスリム観光客の受け入れポイントなどをまとめた「おもてなしガイド」は9月ごろ完成予定。飲食編として好みの食材や味、豚・ラードなどの調味料への注意、ソーキの代用品の提案、調理器具や食器への配慮などを記載。このほか、礼拝場所の確保や生活習慣への配慮、ムスリム受け入れに対応したホテル一覧などを盛り込む計画。

 委員会で協議した結果を来年2月までに報告書にまとめ、次年度以降の施策に反映させる。ハラルに限らず、ベジタリアンやアレルギー対応など多様な食のニーズに応用することも目指している。