名護市辺野古の新基地建設の取材で報道機関が乗る複数の漁船の船長に対し、海上保安庁が指示に従うことを求める同意書「立入検査指導事項確認票」を提示し、署名をさせていたことが16日、分かった。法的な拘束力のない任意の書面だが、海保の担当者は本紙の取材に「最後通告の意味がある。約束を破れば、さらなる強制的な措置を取ることもある」と説明した。(矢島大輔、城間陽介)

 また「違反行為を続けた漁船」が対象と言いながら、初めて辺野古海域を訪れた漁船も対象になっていた。

 海保の担当者は「報道機関を狙う意図はない」と話している。

 同票によると、指導事項は(1)工事作業区域には進入しない(2)キャンプシュワブ基地内に上陸しない(3)船長は乗船者の安全の確保に責任があり、自ら入水したり、乗船者を入水させない(4)現場では海保ゴムボートの指示に従う(5)工事作業船や工事警戒船に接近しない-の5項目。それぞれ「指導実施」と「船長同意」のチェック欄があり、書面の末尾に船長の署名欄が設けられている。

 海保によると、海上保安庁法第2条の「安全指導」に基づく書面。今回の海上作業の警備に当たり、指導に従わず違反行為を繰り返した漁船長が対象という。

 しかし、本紙の記者が16日朝、署名するのを確認した全国紙の取材用の漁船長は辺野古海域へは初めての航行だった。過去に違反行為がない漁船長に対しても署名を求めたことになり、現場の実態と食い違っている。